YouTuberとしてのDaigoさん
メンタリストで有名でテレビでも活躍されていたDaigoさんですが、今ではTOPユーチューバーとしても知られていますよね。僕もそれほどユーチューブを見るほうではありませんが、ときたまDaigoさんの動画を見ることがあります。
心理学を学んだことのない人でも生きていく上で参考になる動画が多くあると思います。
ここでは、DaigoさんのYouTubeを見るうえで知っおいた方がいいことを三つ上げていきます。
論文には背景がある
Daigoさんのユーチューブを見たことがある方は分かると思いますが、Daigoさんは海外の論文を引用して、それををベースにDaigoさんなりの解釈を入れつつ紹介してくれると思います。
このスタンスに関して筆者は特に何も意見はないのですが、見る人側のリテラシーとして、引用されるどの論文にも【論文を書く著者の背景がある】ということは頭に入れておいたほうがいいと思います。
では、具体的にどうのようなことかというと、例えば仮に「ツナ缶推進派」の立場の学者がいたとします。
すると「ツナ缶」がいかに体にいいか。もしくは「ツナ缶」に使われている缶詰はこんなにリサイクルできているので、どんどん食べましょう。
といったような趣旨の論文を書いたりします。
反対に「ツナ缶反対派」の立場の学者がいるとすると、いやいや採れる資源にもこれだけの限りがあるので「ツナ缶」を食べるのはよくない。といったような趣旨の論文を書くかもしれません。
少し話が脱線しましたが、つまり何が言いたいかというと、Daigoさんが引用する論文にもその著者の立場やある種の微妙な力関係を帯びた論文の可能性があるということです。
これは大学の研究室に所属したことがある方はピンとくるかもしれませんが、その教授なり先生がその(論文を執筆する)業界に所属している立ち位置みたいなものがあります。
これは内部の人には良く見えるのですが、外部の人がその立場やその論文の位置関係(書かれた背景)を調べるにはその他の参考文献なども当たらなければならなく、時間がかかるものです。
おそらくYouTube上で紹介するくらいならば、そこらへんの背景はカットしても差し支えないのでしょうが、そのような論文を書くにも著者の背景が存在するということは知っておいて損はないと思います。
論文の著者はデータの取捨選択をしている
次に知っておいても損がないのが、論文の著者はサンプルを取った際のデータを取捨選択しているということです。
そもそも論文を書く人の多くは自分なりの仮説を立てて、それを実証または検証することが多いです。
例えば、「ツナ缶は夕方に食べられる傾向がある」という仮説を立てたとします。そしたら、研究者は朝食と昼食と夕食のデータの資料をみるとします。すると、昼食の方が多く食べられているというデータがでました。
そしたら、自分なりの仮説を立て直して「ツナ缶は昼食に食べられる。ではツナ缶は昼食に食べられる傾向はなぜなのか」など深堀していきます。
また本来あってはならないことですが、自分の主張に都合の良いデータばかりを集める研究者も稀にいます。これはほとんど例外としてもよいですが、論文を書いていると研究者は「こうのような感じになっているはずだ」というある種のバイアスにかかったデータをチョイスしてしまってる可能性はあります。
また、もちろん仮説を立ててからデータを見るという方向と反対のデータを見てから結果(結論)を出す人もいます。
有名なのが市の社会統計学のデータから各個人の自殺率に関連性があるという考えを『自殺論』というタイトルで発表したフランスのデュルケムなどがあげられると思います。
こうしたある種の社会の見解を変える発見はとても意義のあることだと思います。こうした発見はなかなかされにくいです。またちょっと例にあげたデュルケムの著書はタイトルは刺激的というかとっつきにくいですが、有名な歴史的著書です。
客観的という言葉に注意
これはそもそも「客観的経験は存在しない」という有名なアメリカの文化人類学者・精神学者の考え方ですが、これはここで説明すると長くなるのでまた今度にします。
ここで言いたいことは、「客観的データ」というものは、存在するかもしれませんが、論文の中にその「客観的データ」を選んでいるのはその論文の著者だということは知っておいてよいのではないでしょうか。
それはつまりデータを選ぶ段階で著者の恣意的な考えがどうしても入ってしまい恣意性を排除できないことを意味します。少し二つ目にあげたことと被ることかもしれません。
結論
Daigoさんが引用する論文にはこのような背景があることを少しでも知っていただければと思い記事を書きました。
もしかすると、こんなの当たり前だよと感じる方もいたかもしれません。ただ、論文を書いた経験がない方やこれから論文を書く方もいるとは、思うので何か参考になれば幸いです。
Daigoさんのユーチューブがおもしろいことには、冒頭で述べた通り異論はありません。
またこれまで書かれた膨大な研究や論文はおそらく長い目でみると価値のあるものが多いと思います。
ただ、たまにDaigoさんの動画好きでよく見ます。という方を見かけると、優等生タイプのような何でも疑うことなく鵜呑みに吸収してしまうような方も散見されるので、そういった方の考え方に疑問の一石を投じられたらなと少し思いました。
少し長くなりましたが、最後まで読んでくださった方ありがとうございます。
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