香川県条例素案の【ゲーム利用時間制限】/人間のほんとうに怖い2つの習性

Twitterで、何かと物議をかもしている香川県のゲーム利用時間制限の条例素案ですが、これらの反応で、実はほんとうに怖いのはこっちでは?と気になった点が幾つかあったので、今回記事にします。

まず、すでに知っている方もいるかと思いますが、今回の焦点である香川県が条例化を目指しているゲーム利用時間制限の条例素案の以下が概略です。

香川県条例素案のゲーム利用時間制限

香川県でゲームやインターネットの依存症の対策に関する条例の素案に、高校生以下の子どもを対象にゲームなどを利用する時間を1日あたり平日は60分、休日は90分に制限するなど、具体的な制限が盛り込まれることがわかっています。

香川県議会は条例の制定を目指して、10日に委員会を、開いて素案を示します。

前提:条例素案の段階であること/罰則条例ではないこと

まず、大前提として、すでに物議を醸していますが、まだこれは条例されておらず、これから決まることであること。そして、もし万が一制定されても(この今回の騒動で制定される可能性は極めて低いですが(笑))それは罰則規定のない条例であること。

つまり、目標的な条例です。(そんな条例作って意味あるの?という疑問を持たれる方もいるかもしれませんが、行政では「社会はこうあったらいいよね」といったような街づくりなどのビジョンを条例で先に示すことがしばしば用いられます。)

まぁ筆者も、このゲーム利用時間制限はちょっと時代に合ってないというかかなり一元的にしか物事を理解できない大人がつくった条例であるなという感想は持ち合わせています。(物事の見方を変える方法については下記の記事を参考までに貼っておきます。)

けど、今回の騒動でこれは怖いなと筆者が個人的に、思った点は別にあり、それは以下の2つです。

1つ目:人間はときに誤訳を好むということ

1つ目はこの人はときに誤訳を好むということです。

Twitterをやっている方は、昨日のこのゲーム利用時間制限がでたときの人々の反応を見て知っていると思いますが、このニュースが流れたとき、いいね!(Twitterではファボでしたっけ)が多く付くツィートは、

①ゲームの時間を制限しても、勉強時間が増えるわけではないという趣旨

②ゲームを禁止されて育った今の私がこんな感じ(その人はアニメのアイコンなどでゲームをたくさんやっている人)または、ゲームを禁止すると大学生になったとき反動でゲームをたくさんやってしまう。

③ゲームを禁止された家で育ったので、学校で友達同士の共通の話題に参加できず、友達の数が減り学校に行きづらかった。

といったようなツィートが多くいいね!やリツイートされている状況でした。

ここまでで気づいた方もいるかもしれませんが、①は今回の騒動に当てはまりますが(ゲームの利用時間制限されて、どうなるかの話)②と③はよくよく考えてみると、今回の焦点からはズレていることが分かります。

なぜなら、条例ではゲームを禁止するとはどこにも書いていないからです。(仮に書いてあったとしても上記の通り罰則はありません。)

しかし、②と③のツィートが伸びる理由も理解はできます。なぜなら感情に訴えているからです。(笑)

2つ目:ときに人間は分かりやすいように都合よく解釈する

もう一つの怖い点が、ときに人間は分かりやすいように都合よく解釈することです。

これは、Twitterのハッシュタグがたしか(筆者の記憶が正しければ)#ゲーム禁止条例というタグも多く存在していたと思います。

これはゲーム禁止条例の方が分かりやすく、人々に刺さるからです。

これは、ほんとうはゲームの利用時間制限がことの発端でしたが、岩が川を流れて角が丸くなり小さくなるように、いつの間にか情報がそぎ落とされて、人づてに伝っていき核となる部分(それが、ときに最初の出来事とズレていることも1つ目の理由で起こりえます)になっているのです。

そして誤訳の方が伝わりやすいというのが今回の例でした。

以上が、今回の香川県条例素案の【ゲーム利用時間制限】に見て取れる人間のほんとうに怖い2つの習性でした。

誤解を恐れるために述べさして頂きますが、個人的にはこのゲーム利用時間制限の条例はかなりナンセンスだと思っています。

ただ、それが正しいニュアンスで伝わっていないのに、あれこれ言う人々に関しても少し違和感(ゲームの時間を制限する人の発想とそんなに変わらない次元だと)を持ちました。

以上になります。

最後まで読んでくださった方ありがとうございました。

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