【元設計士がおすすめ!!】B・ルドフスキー著『建築家なしの建築』【要約有り!】

今回は、バーナード・ルドフスキー(以下、B・ルドフスキー)著『建築家なしの建築』(鹿島出版会,1984)についての記事になります。

こんな方におすすめ
  • 建築家なしの建築とはどういうことなのか
  • その土地に根付く(独自に進化(適応)した)建築に興味がある
  • 『建築家なしの建築』の要約が知りたい方

建築学科生もしくは、建築をこれから学びたい方や建築に興味がある方にとって、B・ルドフスキー著『建築家なしの建築』(鹿島出版会,1984)はとてもおすすめできる本です。

ミーコ(6)

ふだん街を歩いていて、この建物おもしろいかもとか気づける(疑問を持つ)方におすすめの本よね

B・ルドフスキー著『建築家なしの建築』(鹿島出版会,1984)

『建築家なしの建築』はもともと1964年9月9日から1965年2月7日までニューヨークの近代美術館で開催された<建築家なしの建築>展をもとに編成された本です。

この<建築家なしの建築>展の成功に関わった人たち(推薦や援助していくれた人)の中には、日本で有名な丹下健三の名も著書の中で挙げれています。

推薦した名立たる建築家たち
ワルター・グロピウス,ピエトロ・ベルスキ,ホセ・ルイ・セルト,リチャード・ノイトラ,ジオ・ボンティ,丹下健三,美術館長のレネ・ダノンクール

風土的[vernacular]建築

図.1:筆者作成

『建築家なしの建築』では、西洋建築史で習う建築の歴史から見逃されてきた非様式的で未分類の風土的[vernacular]建築に着目していくスタンスを貫いています。

建築史で習うような歴史は、2,3の選ばれた文明を対象としてきていました。

空間的な広がりは、2世紀のヨーロッパとエジプトと小アジアからほとんどでていない。そして時間的な広がりも歴史家たちが建築の最初としてみる建築物(エジプトもしくはパルテノン神殿)は発達の最終段階であり、50世紀飛ばしてしまっているとB・ルドフスキーは言う。

(図.1では描けていない建築史の時間の射程についてもB・ルドフスキーは言及しています)

これらの授業で習う西洋の建築史をB・ルドフスキーは、「これまでの建築史は、権力と富の記念碑を築いた建築家たちの紳士録みたいなものである。」としています。

それに対して、『建築家なしの建築』でみていくのは、風土的[vernacular],無名の[anory-mous],自然発生的[spontenous],土着的[indigenous],田園的[rural]などと場面場面で使われる(包括的なことばがないため)建築もしくは建築群である。

魅力的な写真と事例

『建築家なしの建築』は魅力的な写真とともに幾つかの事例が紹介されています。ここでは、3つ紹介させていただきます。

都市の構造

図.2 筆者作成(黒い部分が中庭)

本の写真(B・ルドフスキー著『建築家なしの建築』(鹿島出版会,1984)(54頁))をそのまま載せることができないので、拙い図で説明させていただきます。

このブログ記事のトップ画(冒頭のサムネイル)と同じ地区であるマラケシュ(モロッコ)の街を上から見た図です。中庭部分が黒くなっていて灰色部分が建物です。

中庭を囲んだ四角い建物の住居が密集していることが分かります。イスラム的な街の原型を示しています。

路地は行き止まりの箇所も多いことが見受けられます。

囲い

冬風や吹雪に対する堅固な緩衝装置を部分的な囲いで実現しているとして西日本の島根県の防風林が紹介されている。

(B・ルドフスキー著『建築家なしの建築』(鹿島出版会,1984)(132頁))

防風林として、L字型に住居に対して松の木を巧みに育てて50フィートの高さの生垣をつくる。

その集落の写真も魅力的で印象に残る写真である。

引き算による建築

建築のコンセプトにもありそうな言葉であるが、ここでいう引き算による建築とは、マッシヴ(大きな)岩(石灰岩)をくり抜いて、刻み込まれた住居が紹介されている。

(B・ルドフスキー著『建築家なしの建築』(鹿島出版会,1984)(48-49頁))

『建築家なしの建築』の要約

『建築家なしの建築』は、写真とともに散文的に、各々の個別のケースを紹介しています。

B・ルドフスキー著『建築家なしの建築』が出版されて以後、現在では、著書の中で紹介されているようなアノニマスで風土的な建築群にも一定の評価が与えられるような風潮が形成されていきました。

もちろん、筆者が大学生のときにはこのような風土的建築の個別スタディの事例は数多くあったし、これらの建築群に着目することは、一種の”当たり前”のような素地(土壌)が既につくられていました。

そのキッカケとなった『建築家なしの建築』は意義のある著書であるといえます。

また、本書はほんとうに魅力的な写真が多く(ここで掲載できないのは残念だが)そのような建築の写真たちはみていて飽きないです。

そして、都市的目線や、建築を建てるときのテーマやその建築をここに立てる意味そしてデザインとはどういうものなのかといったこと考えるキッカケとなる著書だと思います。

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まとめ

これまでみてきたことを簡単に以下にまとめます。

まとめ
  1. 風土的[vernacular]建築に着目する理由
  2. 個々の事例について
  3. 『建築家なしの建築』の要約
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以上が、B・ルドフスキー著『建築家なしの建築』についてでした。

最後まで読んでくださった方ありがとうございました。

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