主にこれから大手ハウスメーカーで注文住宅を建てようか検討している方向けの記事です。
まず、大手ハウスメーカーの特徴をみていく前に、自分の家(マイホーム)を設計を依頼するにあって、大手ハウスメーカーと工務店とのそれぞれの違いやメリットについて解説しています。
そのあとに筆者がハウスメーカーで実際に設計していた経験などを踏まえた各社の特徴を比較した記事になります。大手のハウスメーカーの各社の特徴と大手ハウスメーカー8社を比較した記事になります。また、8社の予算毎のランキングを併せて解説します。
また、各社おすすめのポイントやランキング形式を取っていますが、以前設計職として実際に働いていた筆者の経験と知識からによる独断と偏見であることを予めご了承ください。
ミーコ(6)
2020年度版大手ハウスメーカー特徴とおすすめ比較/予算毎のランキング有
前提
まず前提として、大手ハウスメーカー8社の各社ごとの特徴を解説した記事になりますが、注文住宅を建てる場合は各社の個別の設計士が担当としてつくケースがほとんどなので、その担当についた設計士の技量によって、実際に建つ家は(良くも悪くも)異なります。
なので、どんなにその会社が良くても(良い特徴や傾向があるとしても)自分の注文住宅の担当の設計士の技量によって、左右されます。
なので、各社の特徴を掴むことも大切ですが、最後にいい家(自分が望むような家)が建つかどうかは、良い設計士が担当になるかどうも重要になってきます
大手ハウスメーカーか工務店か
実際に家を建てる際に、注文住宅で設計して建てるのであれば、大手ハウスメーカーか工務店(ないし個人のアトリエなどの設計事務所)にお願いして建てることになるでしょう。
大手ハウスメーカー8社を比較する前に、ハウスメーカーと工務店との違いについて解説していきます。
大手ハウスメーカーの役割と依頼するメリットは
かつて日本(高度経済成長期(1960年代)以前)では、大工(棟梁とよばれる方)が一般的に依頼主の家の図面をひいて図面の線をひいた人が建てることがほとんどでした。
そういった大工(棟梁)さんたちは、それぞれ地域のコミュニティの中で、この町ならあの人かこの人に住宅の設計を頼んでおけば大丈夫といった地域ごとでコネクション(つながり)があったから頼むことになんの支障もありませんでした。
そして、もしかしたら意外な事実かもしれませんが、(ハウスメーカー以外の)工務店で住宅を建てる人の方が割合としては多いです(現在も家を建てる人の70%の人が工務店で建ているデータがあります)。こうした事柄には建築業界以外の方にはあまり馴染みのないことかもしれません。
しかし、地元(住んでいる地域)ですら地域のつながりがない人が現在は多くなっています。そのため自分が住んでいる地域あるいはこれから住む地域のどの工務店が良いのか分からない(知らない)方にとって、ハウスメーカーは会社として母体がしっかりしている点で安心できるので依頼する人は増加傾向にあるのも事実です。
ハウスメーカーに依頼するメリットとは
そもそも、ハウスメーカーに依頼するメリットは、注文住宅(自分や家族の好みの住宅)にしたいけど、工務店に直接頼むのは不安だし、額(費用)も大きいのである程度の一定の品質を担保できる(保証してもらいたい)点が最大のメリットでしょう。
また、ハウスメーカーは会社の母体が大きいため住宅保証やメンテナンスなどが充実していたり、国の補助金(住宅助成金やecoや省エネを推進する住宅のZEHに対応した住宅)を受けたりするには適しています。
一方で、品質を一定に担保することとの兼ね合いで、あまり奇抜なこと(匠の家や建築系の住宅雑誌で紹介されるような造りの家や、昔住んでいたの母屋の柱を再利用するなど)はハウスメーカーで実現できない場合が多いです。そういった特別なこだわりや思いがある方は、工務店で建てた方が納得いくケースが多いです(一部分の小さいところに再利用する形はハウスメーカーでも可能ですが、工務店の方が融通が利きます)。
なので、ハウスメーカーで家を建てるということ(ハウスメーカーに期待される役割)は、一定の品質が担保された(各社の建て方や建設技術などで)住宅を設計依頼できる点でしょう。
少し前置きが長くなりました。
以下が大手のハウスメーカー8社とその特徴です。
大手ハウスメーカー8社とは
ここで取り上げる大手ハウスメーカー8社とは、比較的全国で展開していて、そして会社の規模も一定以上あり、上記にみたい一定の品質を十分に果たしている8社を大手ハウスメーカーとしています。
各地で有名なハウスメーカーもありますが(例えば、ミサワホームや埼玉を中心に展開しているポラスグループなど)ここでは一旦上記の条件を満たした8社を比較していこうと思います。
一般の方でハウスメーカーと聞いて思い描くような会社はこの8社の中に入っていると思います。以下が大手ハウスメーカー8社です(順不同)。
- 大和工業ハウス(以下大和ハウス)
- 積水ハウス
- 住友林業
- 三井ホーム
- 一条工務店
- セキスイハイム
- パナホーム
- へーベルハウス(旭化成ホームズ)
木造系か鉄骨系か
大手のハウスメーカーの8社の中にも、各社それぞれ得意分野や主に主戦場とする(軸足を置く)住宅の造り方があります。
住宅の造り方は、大きく木造住宅か鉄骨住宅の二つに分けれます。
(ここからさらに構法によっての分類や各社の特徴的な製品に枝分かれしていきますが、各社の名称の違いにこそ差はあれど)大きくはこの木造系か鉄骨系かの二つに分けられます。
おおよそ、各8社の木造住宅か鉄骨住宅かを図で表すとすると上記のようになります(筆者作成)。
先に述べたように各社独自の工法の名前などをあてがって細分化するとしたらさらにわけれますが、大枠はこの図で説明でできます。
これを踏まえた上で各社の特徴についてそれぞれみていきましょう。
大手ハウスメーカー8社の各社の特徴
大和ハウス
大和ハウスは、住宅の構法的には、鉄骨住宅と木造住宅両方できる何でも屋(万能型)です。
しかし、どちらかというと鉄骨住宅が得意なイメージがあります。xevoの「天井の高い家」などのCMで目にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
大和ハウスは、一般の方にはあまり知られていないですが、プレハブの原点であるパイプハウスなどを開発したパイオニア的な側面もあります。最近では、住宅だけではなくオフィスビルや都市計画などにも事業を展開しています。
そのため3層以上の住居やアパート賃貸などの経営にも大和ハウスが採用されるケースがあります。
- 鉄骨住宅と木造住宅両方とも設計可能
- xevoの天井の高開放的な家が特徴
- 住宅以外にも事業の幅を広げている。
積水ハウス
積水ハウスも鉄骨住宅と木造住宅両方建設することができます。
大和ハウスよりさらに何でも屋(万能型)といえるでしょうか。木造住宅も鉄骨住宅も卒なくこなしていきます(シャーウッド商品から分かるように木造にも力を入れています)。依頼主側が選べる種類が豊富で、各住居のさまざま部分をチョイス(選択)しながら住宅を建てていけます。
住宅着工数に着目するのであれば、積水ハウスが一番ハウスメーカーの中で住宅を建てています。住宅を建てる知識やノウハウを数多くの事例を持っているのが強みです。
- 鉄骨住宅と木造住宅どちらも幅広く対応
- 選べるバリエーションや種類が豊富
- 住宅着工件数No.1
住友林業
住友林業は、木造住宅を専門に扱っています。
木材を専門に扱っているので、木造住宅のスペシャリストといったところでしょうか。(林業や木材事業での実績もあり使える木の種類が豊富です)
また、ハウスメーカーの中では自由度が高い設計も可能です。
木造住宅で検討しているのであれば、一度は訪れてみるといいでしょう。
- 木造住宅専門に扱うハウスメーカー
- 木材事業での実績もあり扱っている期の種類が豊富
- ハウスメーカーの中では設計の自由度もある程度ある
三井ホーム
三井ホームは、木造住宅の中の構法で2×4(ツーバイフォー)構法を使った住宅を建てるハウスメーカーです。
センスが良く建築家が設計したようなスキップフロアの住宅など小奇麗な印象があります。
そのためかは分かりませんが、女性受けが良いハウスメーカーの1つでもあります。
- 木造住宅の2×4構法を主に扱うハウスメーカー
- スキップフロアなど内部の設計に定評あり
- 女性目線でみたときに惹きつけられるものがある
一条工務店
一条工務店も木造住宅専門に扱うハウスメーカーです。
ロゴデザインに「家は、性能」とあるように、デザインよりかは無骨に住宅の強度や機能性といったような部分に定評があります。
また下記でみていく予算的な面では優れていて、費用対効果の側面から選ぶ方もいると思います。
- 木造住宅を主に扱うハウスメーカー
- デザインよりかは使いやすさや家の強度に定評
- シンプルに余分なものがあまりない分予算的に優れている
セキスイハイム
セキスイハイムは、鉄骨住宅と木造住宅の両方を扱っています。
セキスイハイムと積水ハウスは名称は似ていますが、セキスイハイムは、積水化学工業株式会社が運営している会社になります。
空調機能などの冷暖房関係に定評があるハウスメーカーです。
た、住宅の大半を向上で生産し組み立てるため、工期が短く済むのと品質にバラつきがあまりないのが特徴です。アパート規模の建物にも採用されることが多い企業です。
- 鉄骨住宅と木造住宅の両方を扱っている
- 空調設備などの冷暖房関係に定評がある
- 工場である程度組み立ててくるので工期が短く、品質にもバラつきがあまりない
パナソニックホームズ(旧名:パナホーム)
パナソニックホームズは、家電メーカーのパナソニックの関連会社のハウスメーカーになります。
鉄骨住宅が専門の住宅メーカーになります。
パナソニック【旧:Natinal(松下電器)】の家電メーカー関連会社ということもあり、キッチンなどの水回り系の設備面にも定評があります。
都市型住居を売りにしていて、三層以上の住居を建設することもできます。また、住宅の外壁に使われるパネルも汚れが落ちやすいの特徴です。
- 鉄骨住宅が主なハウスメーカー
- 家電メーカーの関連会社であるためキッチンなどの水回り型に定評があるに定評がある
- 住宅の外壁に使われるパネルは汚れが落ちやすい
へーベルハウス(旭化成ホームズ)
旭化成ホームズが出している住宅の商品名が「へーベルハウス」です。
旭化成グループの特徴というかこだわりで、「サランラップ」などに代表される商品名を強く打ち出します。
特徴もハウスメーカーの中では、独特といえALCと呼ばれる軽量気泡コンクリート住宅を採用しています(ひらたく言うと鉄筋コンクリート住宅に近いです)。これによって、地震に対して強い(耐震性に優れている)構造だといえます
また、ヘーベルハウスの特徴として、外壁パネルが独特で建築やハウスメーカーに詳しい人だとヘーベルハウスの家をすぐ他の住宅と見分けがついたりします。その分内部の設計やバリエーションは豊富です。
- ALC:軽量気泡コンクリート住宅のみ採用
- 耐震性に優れている
- 内部の設計のバリエーションがハウスメーカーの中では豊富
大手のハウスメーカー8社の予算ランキング
次に、大手のハウスメーカー8社の予算をランキング形式でまとめたものが上の図になります。
これはあくまで、傾向や目安であって、必ずしもこの順番に値段(予算)がかかるわけではありません。実際に家を建てる構法やオプションと利益率によって値段は上下しますが、一般的にはハウスメーカーの住宅の価格には(坪単価に直すと)このような傾向があります。
冒頭にも書きましたが、結局は設計を担当する設計職の人であったり、モデルルームで出会った営業の人との相性も納得のいく住宅をつくるうえでは非常に重要になってきます。
まとめ
い以上これまでみてきたことを簡単に以下にまとめます。
- ハウスメーカーと工務店の違い
- 大手ハウスメーカー8社の各社の特徴それぞれについて
- 大手ハウスメーカーの予算のランキングについて
以上が、2020年度版大手ハウスメーカー8社の特徴とおすすめ比較及び予算のランキングについてでした。
住宅という買い物は筆者があらためて指摘するまでもなく高価なものです。その際に少しでも参考になることがあれば幸いです。